和敬清寂

花まつりの白い象

西本願寺には花まつりの時、白い象の置物が飾られています。寺院によっては、花祭りのお釈迦様の像が白い象の背中に乗っていたり、かたわらに白い象の置物があったりと、真っ白な象がよく登場します。

これは『方向大荘厳』によると、お釈迦様の生母の摩耶夫人が、6本の牙を持つ白い象が夫人の胎内に入る夢を見て、お釈迦様を懐妊したことを知った、という故事に基いています。

つまり、白い象がお釈迦様を運んできた、と信じられているからなのです。
仏教が発祥したインドでは、白い象は「聖獣」、とても神聖な生き物。方向大荘厳によると、お釈迦様の前世は天界で暮らしていた菩薩様なんだそうです。
菩薩様は、ある時自分の使命を思い出して、後のことは弥勒(みろく)に託し、白い象に乗って摩耶夫人の胎内に入って人間として生まれ変わった、ということになっています。

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