小間で使用される”自在”は、秋の収穫後家族が集まって囲炉裏を囲む姿から編み出されたそうで、広間よりも侘びた姿となっています。”自在”の上には飾りとして木彫りの魚がついていることがありますが、これは囲炉裏の火の卦に対して水の卦を配置し、火伏せの意味があったものです。
蛭釘は蛭のような形からの呼び名です。この釘、点前座の下座を向いて打ってあり、当然ながら釘に鎖を垂らすと炉の真ん中に鎖がくるように(釜が炉の中央にかけられるように)打ってあります。重い釜を下げる為天井が落ちないよう通常は太い木を天井裏に通してそこに打ち付けるものだとか。普段気にもとめない釘ですが、今度お稽古の際はよくごらんになってみて下さい。